猫の「ふみふみ」はなぜする?かわいい行動に隠れた気持ちと理由を徹底解説

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猫の「ふみふみ」はなぜする?かわいい行動に隠れた気持ちと理由を徹底解説
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猫が前足を交互に動かして、毛布やクッション、時には飼い主さんの体を”ふみふみ”する姿。英語圏では「kneading(こねる)」や「making biscuits(ビスケット作り)」とも呼ばれるこの行動は、猫好きなら誰もが目にしたことがあるでしょう。見ているだけで癒やされるこの仕草には、実は猫の深い感情と本能が隠されています。

ふみふみは「安心」と「愛情」のサイン

ふみふみは「安心」と「愛情」のサイン

結論から言うと、ふみふみは多くの場合「安心」「愛情」「リラックス」といったポジティブな気分の表れです。Unity Environmental Universityの動物行動学者Kristyn Vitale博士は、Scientific American誌の取材に対し「ふみふみは通常、猫が幸せで、友好的で、安全だと感じていることを意味します」と述べています。VCA Hospitalsの獣医学専門サイトでも、「ふみふみしている猫は、快適でリラックスしている状態」と説明されており、この行動が猫の心地よさを示す重要なサインであることがわかります。

ただし、状況によっては”ストレスの緩和”として出ることもあるため、愛猫の他の行動やサインも一緒に観察してあげることが大切です。

そもそも「ふみふみ」とは?

そもそも「ふみふみ」とは?

ふみふみとは、猫がリラックスしているときに、柔らかい面へ前足を押し出したり引っ込めたりする反復行動のことです。ベッド・毛布・クッションなどでよく見られ、飼い主さんの膝の上で行う子も少なくありません。前足を交互に動かす様子がパン生地をこねているように見えることから、英語圏では「making biscuits(ビスケット作り)」という愛らしい呼び名もついています。

子猫時代の記憶が呼び起こす本能

子猫時代の記憶が呼び起こす本能

ふみふみの起源は、子猫時代の授乳行動にあります。生まれたばかりの子猫は、母猫のお腹を前足で押して刺激することで、ミルクの分泌を促します。Oklahoma State Universityの動物行動学者Leticia Fanucchi博士によれば、「ふみふみは本能的な行動で、子猫が学ぶ必要はありません。母猫の乳腺を刺激することで、実際にミルクの流れを促進させるのです」とのこと。

この授乳時の行動が成猫になっても残るのは、「neoteny(幼形成熟)」と呼ばれる現象によるものです。これは、動物が成長しても幼い頃の身体的・行動的特徴を保持する現象で、家畜化された動物によく見られます。Scientific American誌は、「成猫が子猫時代の行動を保持し続けるのは、家畜化された動物では珍しいことではありません」と説明しています。

授乳時に母猫のそばで感じた安心感や満足感が、成猫になっても柔らかくて温かいものに触れることで呼び起こされ、ふみふみという形で表現されるのです。

ふみふみに隠された5つの意味

ふみふみに隠された5つの意味

1) 心を落ち着かせる自己鎮静行動

猫は気持ちがほぐれているとき、眠る前やまったりタイムに「ふみふみ→ゴロゴロ→うとうと」という流れになることがあります。PetMDの獣医学情報によると、ふみふみは脳内で痛みを和らげ、気分を良くする化学物質であるドーパミンの放出を引き起こすとされています。つまり、ふみふみは猫にとって”落ち着くためのルーティン”であり、自分自身を心地よい状態に導く行動なのです。

2) 飼い主への愛情と信頼の表現

飼い主さんの膝やお腹の上でふみふみするのは、「ここは安全」「この人は安心できる」という気持ちの表れです。Vitale博士は「かつて母猫に向けていた幼い頃の行動が、今では飼い主に向けられている可能性があります。猫は家の中でお気に入りの人や好きな人にふみふみをするので、これは親和的で社会的な行動であり、絆を築くのに役立ちます」と指摘しています。

VCA Hospitalsも「猫は通常、好きではない動物や人間にはふみふみをしません。あなたの猫があなたにふみふみをしているなら、それはあなたのそばでリラックスしている証拠です」と述べており、ふみふみが信頼関係の表れであることは獣医学的にも広く認められています。

3) 香りをつけるマーキング行動

意外かもしれませんが、猫の足裏には香腺(scent glands)があり、ふみふみの圧でそのにおいを対象に残すことで「自分の場所」「自分の安心できる対象」として”印”をつける意味があります。PetMDによれば、「猫の足指の間には香腺があり、ふみふみをすることで、その表面に自分の香りを残します。これにより、猫は自分の縄張りを示すことができるのです」とのこと。

Purina UKも「猫がふみふみをする理由の一つは、縄張りを示そうとしているからかもしれません。足裏にはフェロモンを放出する香腺があり、前足を押し出したり引っ込めたりすることでこれらの香腺が活性化されます」と説明しています。つまり、飼い主の膝でふみふみしているとき、猫は愛情を示すと同時に「この人は私のもの」と主張しているのです。

4) 寝床づくりの本能

野生の猫の祖先は、草むらや葉の山を前足で踏み固めて、自分や子猫のための快適な寝床を作っていました。この本能が家猫にも残っており、柔らかいベッドや毛布の上でふみふみをすることで、寝る前に寝床を整えているのです。VCA Hospitalsは「野生の猫は休息のためにより柔らかい場所を作るために草地をふみふみしていた可能性があります。この本能的な行動が家猫にも受け継がれているのかもしれません」と説明しています。

5) ストレス緩和のセルフケア

ふみふみは基本的にポジティブな行動ですが、環境変化(引っ越し、来客、同居動物、生活リズムの変化)などで不安が高いときに”自分を落ち着かせる手段”として増える場合もあります。AAHA(American Animal Hospital Association)は「ふみふみは心を落ち着かせる行動なので、ストレスを感じている猫や痛みを経験している猫は、自分自身を落ち着かせるためにふみふみをすることがあります」と指摘しています。

「いつもより執拗にふみふみしている」「他のストレスサイン(隠れる、食欲低下、攻撃性など)も出ている」という場合は、生活環境を見直してあげるか、獣医師に相談することをお勧めします。

場所別に読み解く、ふみふみの意味

場所別に読み解く、ふみふみの意味

クッション・毛布でふみふみ

柔らかさ・弾力・温かさが”母猫の記憶”や安心感を呼びやすい場所です。エリエールの獣医師監修記事では「柔らかいものに触れると、子猫の頃の安心感が呼び起こされ、ふみふみスイッチが入ることがあります」と説明されています。

布団の上でふみふみ

寝床づくりの本能と、飼い主のにおい・体温、そして安心感が合わさった場所です。寝る前のルーティンとして布団上でふみふみをして気持ちを整え、安心して眠りに入るという流れになりやすいでしょう。

飼い主の体の上でふみふみ

愛情表現・安心・マーキングが組み合わさった、最も信頼の証となる行動です。ただし、爪が痛いという問題も起きがちなので、対処法については後述します。

ゴロゴロしながらふみふみする理由

ゴロゴロしながらふみふみする理由

多くの猫は、ふみふみをしながら同時にゴロゴロと喉を鳴らします。これは「安心・満足・気持ちいい」が重なっているサインです。ふみふみは自己鎮静(落ち着くため)の行動として説明され、ゴロゴロもリラックス時に出やすい反応として知られています。つまり、セットで出ているなら「今とても心地よい」「信頼している」状態の可能性が高いでしょう。

中には、ふみふみをしながらよだれを垂らす猫もいます。VCA Hospitalsの獣医師によれば「ふみふみをしながらよだれを垂らす猫もいます。これらは本当に幸せな子たちです」とのこと。よだれまで出てしまうほど、猫はリラックスしているのです。

飼い主は止めるべき?基本は「止めなくてOK」

飼い主は止めるべき?基本は「止めなくてOK」

ふみふみは多くの場合、猫が安心しているサインです。Scientific American誌も「ふみふみには肯定的な意味があり、本能的な行動なので、この行動を罰するのを避けることが重要です。たとえ猫の爪が時折痛くても」と述べています。無理にやめさせるより、「安全に続けられる環境」を整えるほうが猫の満足度が上がります。

困ったときの対処法

爪が刺さって痛い場合は、厚手のブランケットを1枚はさむか、定期的な爪切りを習慣にしましょう。PetMDは「猫の爪を短く切って、ふみふみによる皮膚への傷や家具への損傷を防ぎましょう」とアドバイスしています。なお、declawing(爪を根元から除去する手術)は猫にとって非常に苦痛を伴う処置であり、推奨されません。

布団がボロボロになる場合は、ふみふみ専用の毛布やクッションを”指定席”として用意してあげると良いでしょう。猫がそこでふみふみをしたときに褒めたりおやつをあげたりすることで、自然とその場所を選ぶようになります。

夜中に布団でふみふみして起こされる場合は、寝る前に遊び時間を増やし、エネルギーを発散してから就寝へ誘導するのが効果的です。

AAHAは「猫がふみふみをすることで叱ったり罰したりしてはいけません。ふみふみは自然な行動であり、猫は本能を表現するための適切な出口を必要としています」と強調しています。

注意が必要なケース

注意が必要なケース

ふみふみが急に増えた、またはしつこく繰り返すようになった場合は、少し注意が必要です。まず多いのは、環境変化やストレス要因が増えたことで、ふみふみ(自己鎮静)に頼る場面が増えたケースです。引っ越し、模様替え、同居人や動物の変化、来客、騒音などがきっかけになることがあります。

一方で「食欲が落ちた」「元気がない」「隠れて出てこない」など他の不調が同時にある場合は、行動だけで判断せず、早めに獣医師へ相談してください。VCA Hospitalsは「猫が普段と違う場所(ベッドの下など)でふみふみをしている、または通常よりも頻繁にふみふみをしている場合は、猫の他の行動を観察してください。隠れることが多いですか?食欲は変わりましたか?心配な点があれば、VCAの獣医療チームに連絡して、不快感を引き起こしている可能性のあるものを除外することをお勧めします」とアドバイスしています。

まとめ

まとめ

猫のふみふみは、子猫時代の授乳行動の名残を土台にしつつ、「安心」「甘え」「寝る前の儀式」「マーキング」「ストレス緩和」など複数の意味が重なって起きる行動です。ゴロゴロしながら、柔らかいクッションや布団でふみふみしているなら、多くの場合は”今すごく安心しているよ”というメッセージ。

すべての猫がふみふみをするわけではありませんが、もし愛猫がふみふみをしているなら、それはあなたを深く信頼し、心から安心している証拠です。まずは安全にできる環境を整えて、猫の満足時間を優しく見守ってあげてください。


参考文献

投稿者プロフィール

2匹の猫と暮らす もふこ
2匹の猫と暮らす もふこ猫ライター
猫2匹と暮らす猫ライターの「もふこ」です。
物心ついたころにはもう猫とずっと一緒に暮らしてきました。
もう猫がいない生活は考えられないほど猫好きな私が20うん年猫と暮らしてきた中で得た知識や面白猫情報などをお伝えできたらいいなと思っています!
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