猫好き必読!芥川賞作家が描く、生きることの哀しみときらめきに満ちた感動作「ねこのおうち」
モフーユーザーから読書感想が届きました!
先日モフーでも特集させていただきました、柳美里先生の新刊「ねこのおうち」。
2016年7月2日には王様のブランチでも本作の紹介特集が放送されました!
そして、素晴らしいことに発売から半月も経たないうちに重版が決定いたしました!( ゚Д゚ノノ”☆パチパチパチパチ
モフーでもサイン本10冊をご提供いただきプレゼント企画も開催し、その後当選者の方からお礼のメッセージなどたくさん頂戴いたしました。
また、今回モフーユーザーに読後の感想をお願いしたところ素晴らしいコメントが届き、改めて物語を思い出し、涙しました。
ぜひ書籍へのご興味をいただけましたら書店にてお手にして頂けましたら幸いでございます。
●『ねこのおうち』に登場するねこたち
ニーコ。短毛のキジ虎。
6匹のねこのお母さん。ひかり公園に捨てられる。
スワン。真っ白な長毛。
小学生の留香と姉のかすみの家族になる。
サンタ。ぼんぼり尾の茶虎。
小学生の正樹とお母さんの家族になる。
アルミ。サビ色の長毛。
フリーライターの光の家族になる。
ゲンゴロウ。真っ黒な長毛。
今井さん夫妻の家族になる。
ラテ。カギ尻尾の茶白。
ゲンゴロウと一緒に今井さん夫妻の家族になる。
ではモフーユーザーのご感想をご覧下さい!
たろ母さん(愛猫:たろうちゃん)
⇒ たろうちゃんTwitter
私たち人間は勝手だ。
自分達の都合で猫の人生ならぬ、猫生を決めることになる。
だからこそ読んで知ってほしいと思わせる一冊でした。
ニーコが愛に包まれて幸せに過ごせたのも、命を奪われたのも人の手です。
ニーコの6匹の子猫達を取り巻く人達が、家族となった子猫との生活で猫と過ごす穏やかな空気が流れる中、新しい自分や周りの人たちとの関係を再び紡いでいく物語です。
地域猫の置かれている厳しい現実も書かれており、あらためて考えさせられました。
今、猫を飼っている方、これから飼おうと考えてられる方に、
私達人間の心向きによって変えられる猫生がいろいろあるということを知るバイブルになる一冊だと思います。
にゅげさん(愛猫:ピノちゃん、ラミーちゃん、チロルちゃん)
⇒ ピノちゃん、ラミーちゃん、チロルちゃんTwitter
『何をしていても、何もしていなくても、ねこの周りには平安としか言いようのないものが漂っている』
そうなのだ。ふわふわとしたお腹の毛、ぷにぷにの肉球。すやすや静かな吐息。
猫は幸せしかもたらさない。
では私たちは?猫に何か返せているのだろうか?
読了後、私は絶対にこの子たちを独りにはしない。そんな気持ちを込めて、ギュッと愛猫を抱きしめた。
愛猫:ラミーちゃん
「ねこのおうち」は、生後1日で捨てられたニーコと、その仔猫たち。そして、彼らと関わった人間たちの物語だ。
語り口は絵本や童話の様にやさしく、一気に読めてしまうが、内容は決してやさしくは無い。
登場人物は皆、何かに捨てられた人たちだ。
例えば、親だったり、子だったり、世間だったり。そしてそれは、どこか、捨てられた猫たちの境遇と重なる。
彼らと猫たちの生が交錯した時、初めて彼らは解放されていくのだ。
それは『自分の内側で膨れたり萎んだりして、脈拍や呼吸や心を変化させる』感情から、ねこの日誌を付け始めたひかるの行動からもよく分かる。
このシーンは普段、猫の写真をSNSに上げている私にとって、とても共感できる行為だった。
私は恋にも似た感情で猫の全てを見つめている。猫がいる事で、どれだけ前向きに生きられるかしれない。
私も、本書の登場人物の様に、猫に救われているのだ。
しかし一方で、糞害や鳴き声、アレルギーなどの理由で、猫を憎む人間がいる。
毒団子を仕掛ける人間もいる。
私たちは彼らから猫を守る為にも、ただエサをあげて可愛がるだけでなく、別のアプローチ方法を考えなければいけない。
1つの解決例が本書の後半に出て来るので、参考にしたい。
ひかり公園の美しい四季の移り変わりと共に描かれる命の物語の根底には、生き抜く事への透明な悲しみが流れている。
後半はその傾向がより顕著となり、やるせない。
だが、救いは必ずある。そう思わせるラストだった。
愛猫:チロルちゃん
最後に、私の猫たちについて書かせていただいてもいいだろうか?
臆病猫ピノは漁港に捨てられた後、我が家に辿り着いた。
黒猫チロルは多頭飼いの放置家から自力で脱出。
おてんばラミーは交通量の多い国道近くの駐車場で、親とはぐれて鳴いていた。
彼女達は私に「平安」をくれ、そうして私の家は「ピノとチロルとラミーのおうち」になった。
きっと、あなたとあなたの猫のおうちにも、泣きたくなるほど愛しいエピソードが溢れているに違いない。
その記憶は、本書を読む事で強く再確認できるはずだ。
そして読み終わった後、私と同じ様に、愛猫をギュッと抱きしめるだろう。
「ねこのおうち」は、そんな愛と絆の物語。
ヨーコさん(愛猫:りんちゃん、そらちゃん)
⇒ りんちゃん、そらちゃんTwitter
私はいつも、人が猫を選ぶのではなく、猫が飼い主を選んでいるのだと思っています。
捨てる人、拾う人、捨てられる猫、拾われる猫。いろいろな事情を抱えた人と猫…。
その出会いは全て必然で意味があると思っています。
このお話に出てくる人も猫たちも、やはり出会うべくして家族になり、繋がっていったのだと思いました。
読み終えた時、隣にいる猫たちに『うちを選んでくれてありがとう』と言って抱きしめました。猫との生活とは何か、深く考える時間を与えてくれたお話でした。
muteさん(愛猫:モチちゃん、コネちゃん)
⇒ モチちゃん、コネちゃんTwitter
愛猫:コネちゃん
柳美里さんの作品は重いテーマが多く、いい意味で読むのにエネルギーが要るので今回もそれを覚悟して読み始めました。
この作品にも猫達がおかれる現実の厳しさ、命の残酷さが沢山書かれていました。
ただ、それ以上に猫が与えてくれるもの、癒しや温もりや幸福感のようなものが話の端々に散りばめられていてずっと穏やかな気持ちでスラスラと読み進めることができました。
猫を介して温かい人の繋がりがじわじわと広がっていることにもほっこりさせられました。
猫が好きな人、猫と暮らしたことのある人は読んで間違いない作品だと思います。
サイン本当選者さまからも感想をいただきました!
いけさん(愛猫:マリーちゃん、アムちゃん、マロンちゃん)
⇒ マリーちゃん、アムちゃん、マロンちゃんTwitter
柳 美里先生の、ねこのおうちの感想です。猫と人との関わりで、新たな世界が拡がる事を再認識させられスワンのおうちを読みながら、我が家の白猫マリーとの出会いを思い出しながら。
うちのマリーも元捨て猫。当時大の猫の嫌いだった私がその段ボールを家に持ち帰るのを躊躇、葛藤したときの事を思い出しました。見捨てる事は、やはりできなかったのです。
猫は、世界感を一変させてくれました。本の中のスワンを拾った主人公の姉が心開き長年の葛藤を家族にぶつけた勇気を与えたスワンの存在に感動を覚えました。
猫も人も同じ命。日々の猫との暮らしの中で、自分が猫から与えてもらっている愛や癒しを再認識させられるお話でした。皆さんも読んでみては、いかがでしょうか?
モフースタッフも拝読させて頂きました!
序盤から涙、涙で心が折れそうになりましたが、そのたびに物語の中にフラッと猫ちゃんが現れては傷ついた私(読者)の心をいたわってくれます。
6匹の猫をとりまく人間たちに、つい自分を投影し、ああ…どうかみんな幸せでありますように…と祈るような気持ちで読み進めていきました。
時にギュッと胸が締め付けられ、そのあと全身に血がめぐるような安堵が訪れ、”猫の周りには平安が漂っている”ことを感じます。
ラストシーンではほっとして、誰に言うでもなくうなずきながら泣きました。
そこには幸せな人と、幸せな猫がいました。
ねこ好きのみなさま、「ねこのおうち」を手に取っていただき、いま一度猫への愛を再確認されてはいかがでしょうか?
ねこのおうち
(編集:マツザワ)
柳美里 執筆開始30周年&芥川賞受賞20周年記念&新刊「ねこのおうち」刊行記念トークライブを2016年7月8日(金)に開催!
作家・柳美里の執筆業30周年を記念して、オープンしたてのロフト9でトークライブを開催!
ゲストには、新潮社出版部長の中瀬ゆかり、柳の友人でもある劇作家の前田司郎が登場。
デビューから現在まで、そして南相馬市に移住してからのこれからを語りつくす。
終演後には、柳氏、前田氏の新刊サイン会も開催!
OPEN 18:30 / START 19:30
前売¥2,500 / 当日¥2,800(税込・要1オーダー500円以上)
前売券は6/11(土)正午12時よりe+にて発売
⇒ イベント詳細はこちら
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